ロッテ免税店が現在所有するシステムとインフラには、長年の経験を通じて積み上げてきたスタッフのノウハウがそのまま詰まっている。特に物流管理分野でそのメリットがさらに際立つが、興味深いのは上司からの指示ではなく現場のスタッフからのアイデアがそのまま反映されているということだ。作業中に不便な点や非効率的な部分があれば直ちに他の方法を探し出す。商品を置く位置や前後の順番を変えることなど、細かい部分まで見逃さずに修正を続ける。
写真=キム・ソンホ記者/ 入庫された保税品を積み置く物流センターのスタッフ
「グロービー」もこのような過程から生まれたロッテ免税店の統合物流電算プログラムだ。大勢の中国人観光客で売上が毎年急騰したことで、ロッテは2年前に約200億ウォンを投入していち早くシステム全般に手を加えた。事業者が内部的に運営する保税売場の在庫管理システム(企業会計システムを利用した在庫管理、保管倉庫と売場間の搬入出記録管理など)と税関の保税品在庫管理システムを連動させ、効率性を高めたのだ。保税品の入出庫記録と税関申告手続きなど、基本的に2～3回の過程が必要だった従来の作業は、グロービーの導入と共に一度の入力だけで各パートに一括で適用できるようになった。
この体系化されたプログラムの名は「グローバル免税店+ビジネス」から取ったもので、ロッテ免税店が世界市場に向けて羽ばたくために、先進化された物流システムを構築するという意味が盛り込まれている。社内公募を通じて名づけられただけに、スタッフの誇りと愛情はかなりのものだ。ロッテ免税店の関係者は、「最近、毎年20～30%に近い売上急増で物量も増えたため、効率性の面で正確な数値の比較は難しい。しかし数年前に比べると爆発的に増えた物流量を新しいシステムが消化し、高い効率性を証明している。」と話した。
写真=キム・ソンホ記者/ 品目別に分離して運営する積み置き場
一方、ロッテ免税店物流センターの協力会社も、グロービープログラムへの賛美を惜しまない。物流分野にロッテ免税店が導入したのは、全て最新のアップデートバージョンであるということで、韓国国内はもちろん、世界中のどこに出しても遜色のないインフラを備えているというのが彼らの説明だ。システム構築に直接参加した協力会社のある関係者は、「従来使用していたERPシステムと税関の在庫管理システムが衝突する部分が多く、エラーがかなり出た。物流管理を担う立場としては困難な場合が多かった。」とし、「しかしグロービーを導入してからは、発注から販売量、物流倉庫の在庫、搬入出など全ての内容が連動され、画期的にエラーを減らし、業務効率を高めることができた。」と話した。
このように、グロービーのメリットは現場の作業者をプログラムの開発に直接参加させたという点にある。普通はプログラムの開発業者が作ったものを適用し、エラーを点検して修正、補完していく。しかしロッテは、開発段階から現場のスタッフの意見を中心にプログラムを構築し、基本的な枠組みから物流管理の効率的な体系を構築していった。約23万品目を扱う物流センターを管理するスタッフの利便性を高めるためには、必然的な選択だった。ロッテ免税店の物流チーム関係者は、「おかげでテストの期間を大きく短縮し、実際に適用した後も作業場での変化体感度を画期的に減らすことができた。」と話した。
しかしその一方で、より多くの物流を処理するためには、グロービーシステムの柔軟性と拡張性が必要だという指摘もある。ロッテ免税店がグローバルトップクラス入りを早めるためには、物流分野の免税流通システムの確立が重要な課題だ。もし世界的に通用する物流体系ガイドを作ることができれば、マーケティングのレベルを超え、免税業の基礎インフラである物流システムの輸出も期待できる状況だ。ロッテ免税店の物流チーム関係者は、「スタッフ自ら誇りを持てる完璧な物流システムを構築するために、さらに現場の声に耳を傾ける。」と、より発展したモデルを作り上げるという意志を伝えた。
