問題解決のための努力が作り上げた、ロッテ免税店の先進物流システム
免税業界で初めて試されたものの中の、ほぼ全ての分野でロッテ免税店の名前が存在する。特に物流分野でその傾向が目立つが、多くの業績の中でもロッテが初めて導入した「ワンパッキングシステム」は、効率性と顧客の利便性を同時に高めたと評価されている。
写真=キム・ソンホ記者/ ロッテ免税店第1統合物流センターの全景
引渡所の混雑問題から始まった「ワンパッキングシステム」
購入した物品を空港内の引渡所で受け取ることになる市内免税店の特性上、顧客とスタッフいずれもが煩わしかった。もし3つの品目を購入した顧客であれば、引換券別に分かれた各区域に移動して商品を受け取らなければならなかった。引渡所の混雑はもちろん、待ち時間もそれだけ長かった。物量が多くなかった頃は大きな問題ではなかったが、売上が増え物量が増えるにつれ、新しい解決策が必要になた。
悩みの末、ロッテ免税店が出した解決策がワンパッキングシステムであった。一人の顧客が幾つかの売場で購入した商品を、一つにパッキングして渡すサービスで、2007年に免税業界で初めて導入された。その結果、4～5分ずつかかっていた引き渡し時間を約60秒に短縮し、引渡所のスペースの活用度も高めた。
ロッテ免税店の物流関係者は、「ワンパッキングシステムは、市内に多数の店舗を持つロッテ免税店には、とりわけ必要なものだった。」とし、「ワンパッキングの概念は物流センターができる前から引渡所のスペースで行われていたが、スタッフが一々確認しながら商品を包装するやり方であったため、狭い場所と時間に迫られ厳しいものであった。しかし統合物流センターがオープンしてからは、体系的なシステムとプロセスを通じて効率的に処理できるようになり、作業効率と生産性を高められるようになった。」と説明した。
ワンパッキングの過程を見てみると…約10段階に区分
ロッテ免税店の統合物流センターはU字型の構造になっており、搬入出を一目で確認できるように設計された。ワンパッキングが行われる過程を見ると、大きく10段階に区分できる。先ず、倉庫の中にバルクの形の保税品が(1)搬入された後、搬入場で外見上の異常がないか調べる(2)1次検収が行われる。その隣にある未検場で直ちに(3)2次検収に入り、そこでバルク状の箱を開放し、個別包装に瑕疵がないか一々丁寧に検査する。検査をパスした製品は、個別包装単位で各品目別に倉庫内の指定場所に(4)積み置きされるが、この過程までが在庫管理のための作業として分類される。
それ以降の出庫作業は丁寧に行われる。販売情報に応じてスタッフが各(5)引換券の情報を確認した後、積み置かれた商品をスキャニングしながらデジタルカートに入れる。スタッフは、スキャニングされた商品を(6)顧客別に一つの箱に集めた後、(7)個別包装に入り、(8)ワンパッキング作業に入る。一人の顧客の商品を一つの袋に入れて仕上げる。上記の過程が終わったら、出国日/時間/地域などに分けて税関の監督の下で保税品(9)郵袋に入れて搬出され、運送された保税品を(10)引渡所で顧客が受け取るという順序になる。一つのパックを作るために数段階を経るだけに、倉庫の2階には「未来場」という名をつけ、出国日の一ヶ月前から予め注文された顧客の物品を事前に包装しておく。
写真=キム・ソンホ記者/ (1)搬入
写真=キム・ソンホ記者/ (2)未検場(1次検収)
写真=キム・ソンホ記者/ (4)積み置き
写真=キム・ソンホ記者/ (3)2次検収
写真=キム・ソンホ記者/ (5)引換券別の分類
写真=キム・ソンホ記者/ (6)顧客別の分類
写真=キム・ソンホ記者/ (7)個別包装
写真=キム・ソンホ記者/ (8)ワンパッキング
写真=キム・ソンホ記者/ (9)郵袋包装及び搬出
物流競争力の強化、公認認証で証明
ロッテ免税店物流分野の協力会社の関係者は、「物流システムの全過程における長い経験を通じて最も効率的な方法を探り出し、さらに先進化された方法を工夫するために今も様々なチャレンジを続けている。」と話した。 このような努力は、ロッテ免税店が関税庁から内部統制システム、安全管理、法規遵守などで高い評価を受け、今年AEO認証を獲得した原動力となった。AEOの公認は特許審査の細部評価基準項目に入るだけに、保税売場の運営と管理能力においても重要な要素として挙げられる。ロッテ免税店の物流関係者は、「保税管理能力を評価する上で物流インフラが最も重要な要素として作用するだけに、持続的な投資と開発を通じて無欠点の保税貨物管理を実現していきたい。」とし、「効率的な物流管理のために、常に最善の方法を探る。」と話した。
