27日、日本ロッテの重光宏之(韓国名：辛東主/シン・ドンジュ)会長とシン・ヨンジャ(辛英子)理事が、父の重光武雄(韓国名：辛格浩/シン・ギョクホ)会長を担ぎ上げ、韓国ロッテ側の重光昭夫(韓国名：辛東彬/シン・ドンビン)会長及び日本ロッテホールディングスの役員6名を解任したことから始まった第1次のお家騒動は、満足に始まりもしないまま、事実上、昭夫会長の勝利という形になった。翌日開かれた緊急取締役会で、昭夫会長と関連取締役の解任を無効化し、重光武雄会長は次男の解任からたった一日で会長の席から退くことになった。
昭夫会長が担う韓国ロッテの規模が日本ロッテの20倍以上に成長し、韓国ロッテは流通、製菓、石油化学などに分野を広げ、攻撃的に勢力を広げている。今回の結果もやはり昭夫会長が持続的に日本ロッテホールディングスに影響力を拡大してきた証拠だ。
韓国最大の免税事業者であるロッテ免税店も、このような状況を踏まえて未来の行方に対する懸念と期待が共存している。ロッテ側の関係者は言葉を慎んでいるが、日本ロッテホールディングスがホテルロッテの最大株主である以上、どのような形であれ影響を受けるのは明らかだ。
これまでホテルロッテは、重光武雄総括会長の支持の下で大きな方向性を決めてきた。ホテルに属する免税事業部門も同じだ。現在の流れでは、これからロッテグループにおける昭夫会長の影響力が大きくなり、ホテルロッテに対する支配力も高まる可能性が高い。実際に昭夫会長は、「ワン(One)ロッテ、ワン(One)リーダー」を掲げ、タイ免税店事業への韓国と日本ロッテグループの共同進出計画を打ち出した。大阪と東京への免税店参入を計画するなど、免税店事業に対する攻撃的な営業方式を表明し、グローバル進出を加速化する作業に取り組んでいる。
問題はシン・ヨンジャ社長の意中だ。シン・ヨンジャ社長は、1980年代にロッテデパートの営業を担当し、ロッテの流通産業全般にかけての成長を率いてきた。ホテルロッテにおける流通とされる免税事業分野でも莫大な影響力を持ち、実質的な運営を担ってきた人物でもある。
業界では、弟の昭夫会長が韓国ロッテの経営一線に乗り出したことでシン・ヨンジャ社長の影響力が弱まったため、今回のお家騒動に彼女が加わったのではないかという話も出ている。 シン・ヨンジャ社長は、宏之会長体制が自分の影響力拡大に有利だという結論を出したものと思われる。宏之会長の韓国における影響力が弱いということを考えると、中長期間韓国ロッテを両分できるという判断からだ。それに経営権争いが激しくなればなるほど、昭夫会長体制になったとしても、交渉テーブルに座り反対給付としてショッピングや免税流通など更なる利益を手にすることができる。
一方では、昭夫会長が父の武雄会長と姉のシン・ヨンジャ社長に免税店の収益悪化の責任を問わせて、ホテルロッテの経営一線から距離を置かせるという予測も可能だ。過去の海外法人赤字問題と、仁川国際空港3期免税店につぎ込む3兆6千億ウォンという天文学的な賃貸料に伴う収益性悪化など、責任の所在も明らかだ。シンガポールのチャンギ国際空港入札と仁川国際空港入札価格などの新羅との競争で、事実上「実利的な負け」をしたということも、やはりこのような根拠を支えている。
一旦経営権の承継が終わるまで、ロッテグループ全体に混乱した状況が続くものと思われる。しかし、その結果は韓国内にとどまらず、グローバルロッテになるための方向で決定されなければならず、免税店事業も同様である。ロッテ免税店が2018年までに免税業界世界2位を目標としているだけに、どんな結果が出たとしても、グローバル成長動力が得られる方向に進まなければならない
